ヒマラヤ.パルチャモ登山
       松本登高会OB、ネパ-ルヒマラヤ.パルチャモ登山隊2008
       隊長;高橋正幸 津留宏信  杏健ニ  Climbing Adviser 福沢勝幸
  
    Sherpa;チリン.ドルジェ、フル.テンバ。コック:ミン.バードル
今年のパルチャモは、氷の発達が進み予想以上に厳しいルートになっていた。ルートは幾つかあるようだが、我々はノーマルの北面を直登。この山は、ACで見る“たおやかな”山とは違う。結構斜度もあり氷と雪壁のル−トだった。
登山グレードは(PD+)

パルチャモ全景 拡大写真


写真解説〉
左上:C2(5600m)から望むパルチャモ。中央:登頂.視界なし。右:C1(5200m)上部からのパルチャモ。

左下:山頂近くFixは400m使用。下中央:巨大クレパスはみごとなブルーアイスだった。下右:クレパスを左上に回り込み直登.アイスクリュウがガッチリ効いた。


Tesi.Laptsa.5755m  

パルチャモ上部 拡大写真

◇登山隊 行動記録
4月1日 ナムチェ〜ターメ 晴れ。ナムチェから緩やかなアップダウンの道を、高所順応しながら、のんびりと、てターメへ登山装備はヤク5頭でBC4900mまで運ぶ。

2日 ターメ〜クーレ
(4200m)
晴れ。ターメゴンパで安全祈願。その後、ターメコーラ左岸、山腹を右上気味に登る。幾つかのカルカを通過、河原近くのKureTheng着。ここは快適な草原のキャンプ地。パルチャモの東面が望める。午後、高所順応に4400mまで往復。

3日
Kure Theng滞在 晴。高所順応日。、キャンプ地、北斜面を登る。登りついた上部は高原状の広い台地、クーンブの山々の展望が良い。更に上部フリーで登れる地点4700mまで高所順応。

4日 Khre〜ラデン
(4500m)
曇りのち晴れ。朝、津留が体調悪く下山すると言う、彼にとっては今回が始めてのヒマラヤ登山、もう少し頑張ればと思うが、シェルパと共にナムチェに下って行った
これから3名の行動になる。。
テンポまで1時間、更に2時間でラデン4500m着。ここも草地の快適なキャンプ地。現在テンポにはロッジがあり、宿泊可。食事も出来る。USA隊が下山してくる。パルチャモのルート状況を聞く。青氷の発達が凄く、ギブ.アップと言って下山していった。


5日 ラデン〜BC
(4900m)
雪のち曇り。ラデンから.右上にルートを取る。巨岩のガレ場からカールに出て、右斜面モレーンのトラバース、ここから直登、上部、岩場の台地に出る。右はテンギ.ラギ.タウの岩壁。上部は巨岩の道、少し下った平坦地にBC設営。本日の行動3時間30分。夜降雪。

6日 BC滞在 雪 雪のち晴れ。BC開きのプジャ。午後晴れシェルパC1へ荷上げ。隊員は周辺で高所順応。ここのところ天気はあまり良くない。チリンが、もしこんな天候が続くならナムチェから食料上げ絶対登頂まで頑張ろうと嬉しいことを言ってくる。彼はこの後USAのエベレスト隊に合流予定だが、律儀で我々を頂上に立たせたいと真剣。

7日 BC〜C1〜BC
(4900m)
晴のち雪。順応を兼ねてC1往復。正面左の足場の悪いガレ場直登、右上、巨岩の道、小さなケルンが要所にある。上部台地の大岩に古びたラプチョあり、目印になる。ここより右上テンギ.ラギ.タウの壁に向かい登る。落石を避けた場所にC1設営。BCに降る。

8日 BC滞在 快晴、アタックに備え休養日。周辺でのんびり高所順応。軽く身体を動かす。

9日

BC〜C1
(5200m)

快晴、時間をかけてC1へ。終日快晴
行動中はかなり暑い。パルチャモの氷が蒼く輝いている。天候が安定してきた。

10日

C1〜C2

(5600m)

快晴、テンギの壁沿いに落石避けてC2を目指す。岩壁沿いのルートが安全だがショートカットのアイスフォールのルンゼを(40m、斜度70度くらい。)直登、更に右上にルートを取り、テシラプツァに続く氷河の雪面を一段上がった岩壁直下にC2設営。


11日 C2〜登頂〜C2 快晴のち風雪。テシラプツァまで1時間、緩やかな雪原から氷の壁200mほど直登。青氷の巨大クレパス地点に出る。ここを左上に回り込み直登。かなり硬い氷でアイスクリュウががっちり効いた。更に直登、左の雪庇を避け直上、右上気味にルートを延ばす。ここから山頂に続く雪壁を登り登頂。山頂は既に風雪で視界が遮られ、期待した展望はなし。下降は雪崩に神経を使う。壁の降雪は流れた後で下部の緩斜面は新雪でラッセルになる。足を取られながらC2へ。

12日 C2〜BC 晴れのち雪。往路のルートは避け、ロングコースだがテンギ.ラウ.タウの岩壁沿いの道を下る、昨日の雪でラッセルになる。緩やかなトラバース、アップダウンを繰り返し、広いクーロワールに出る。深雪で雪崩れそうだ。右側岩壁沿いを経つるように降り、更に、足場の悪いガレ場を降る。落石に怯えながら安全地帯のC1着、大休止、のんびりとBCへ。荷おろしのヤクが既に到着していた。

13日 BC〜ターメ 晴れ。登山装備はシェルパに任せメンバーは先に下山開始。テンポで、テン.カンボチェの岩壁を登るスイスの若者と再会、山頂まであと200mまでルート開いたとの事、彼らはこの後アンナ南壁に向かうと言う。

14日 ターメ〜ナムチェ 晴れ。ターモで昼食。ここまで来るとモバイルで日本に連絡が取れた。ナムチェは「さくらロッジ」泊。シェルパがジョニ黒を仕入れてくる。全員で登頂を祝う。さくらロッジのサウニが、粋なケーキで祝ってくれた。
ここで登山隊は解散。Chhrin.はUSAのエヴェレスト隊に、高橋、津留、杏はレンジョパスへ、福沢は下山カトマンズへ。
 

Khureキャンプ

Teng.Ragi.Tau

Teng.Kang.Poche
海外登山と世界の山旅