ボルネオ.キナバル山(4095.2m)
マレーシア.ボルネオ島 1998.4
   
キナバル山は日本から最短で登れる4000m峰です。マレーシアボルネオ島にあり山頂周辺は花崗岩で形成された堂々たる山容の山です。
登山コースは良く整備され、山小屋もあり、食事も出来る。技術的にもさほど難しくない。
ボルネオ島は、このキナバル登山と合わせて、海が同時に楽しめるのも魅力です。



キナバル国立公園口PHQから望むキナバルの岩峰


4月21日(曇り霧)。 PHQで不要な荷物を預け、車で登山口に向かう。乗客は3名のみ、独特なデザインのゲートに向かう。登山口の標高は1800m。ゲートからは、最初やや下りの道。やがて、階段状で整備された道を登る。熱帯雨林から、乾燥した樹木の間を登る。何か日本の秋の山を登っている感じがする。登山道には、要所にシエルターと呼ばれる東屋があり休憩地になっている。周辺では、小さなリスがあちこち走り回っていた。東屋近くには、飲料水となるタンクも設けられ水場になっている。道はかなり整備されていて歩き易い。
今日はあいにくの霧雨で展望がきかない。それでも大雨にならず、雨具も必要ないのはよしとする。
途中ウズボカツラが道路わきにある。クアランプールから来たと言う若者達と前後して歩く。女性は皆、暑いのに白いスカーフを被り登っている。ムスリムの人達であろう。登山は初めてのようで、勢いよく登り、倒れこんでは長時間休み、又、勢い良く登っていく。
登山口からラバンラタン小屋までの標高差は1500m、トレーニング不足なので結構きつい。ラバンラタンレストハウス(3352m)には15時に着いた。

小屋では、スイスの男性と、アメリカ女性と同室になる。スイス人が高度障害でかなり苦しんでいた。水分を取らせ、食事代わりにスープを飲ませる。アメリカの若い娘は元気そのもの、シャワーを浴び洗濯までしていた。
レストハウスは広い食堂と、2段ベッドの部屋、毛布が用意され、共同のシャワールームもあり快適なところだ。

キナバル全景

キナバル上部の奇岩

奇岩ドンキーイァー
4月22日(快晴)。 午前2時起床、軽くパンとスープの食事を取り、3時出発。暗闇の中、既に多くのパーティが登っていく。小潅木帯から岩場に取り付く。最初の取り付きは結構急斜面、太いロープがセットされルートの道しるべになっている。ホールド、スタンスがしっかりしておりロープの世話になることなく越える。その上部はスラブ帯でロープが更に上部に伸びていた。緩やかな斜面でフリクションも効き快適だ。暗がりの中ライトの明かりを頼りに登り続ける。あっけなく山頂直下着。5時30分だった。日の出まで時間があるので岩陰で待つ。風が少し強い。半袖シャツの上にフリースジャケット着用のみだが、それほど寒くは無い。
6時に日の出を迎える。
山頂には10名ほどの登山者がいた。南国の素晴らしい日の出を堪能したあと、ゆっくりと下山にかかる。頂上直下の階段状の窪地を下ると、後は緩傾斜の広々したスラブを下る。明るくなってみると、この山は実に巨大な岩盤でできている。周辺の眺めも独特で、ドンキーズイヤーなど奇岩が屹立している。ラバンラタン小屋には、8時10分着。ここでコーヒーを飲み9時下山開始。
下るほどに暑くなる。今日も、登山者が大勢登ってくる。
山頂から登山口までは、標高差2300mをくだる。最初はのんびり下ってきたが、そのうち、嫌になり、惰性で駆け下りる。かなり膝にくる。ラバンラタン小屋からは4時間ほどだった。13時10分登山口に下山。
迎えの車が来るまで、かなり待たされる。
PHQに戻ったのは、15時だった。コタキナバル行きのバスが丁度来ていたので休むまもなく町に下る。

キナバル山頂の夜明け

キナバル山頂

山小屋の従業員


世界最大の花.ラフレシア

サパの茶畑


海外登山と世界の山旅